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バーバリーLINE活用3つの見どころ:LINE展開の戦略【連載2/4】

公開日: : 最終更新日:2017/08/26 LINE公式アカウント・スタンプ


バーバリーLINE公式アカウント

ファッション×LINE活用の代表事例となるか。

前回に引き続き、「バーバリーによるLINE活用3つの見どころ」をご紹介します。

今回は、1つ目の見どころ「どのような戦略でLINEとの取り組みにいたったのか」を考察いたします。

数少ないラグジュアリーブランドによるLINE活用には意図があるはずです。

 

どのような戦略でLINEとの取り組みにいたったのか

LINE配信

<抜粋>バーバリーLINE公式アカウント2015年2月4日配信

2015年1月13日 にイギリスのラグジュアリーブランドBurberry(以下、バーバリー)のLINE公式アカウントがオープン。2月17日にはクロースドのLINEスタンプ(ダイレクトスタンプ)が無料配信。そして、2月23日(月)日本時間午後10時に2015年秋冬コレクションの生中継。

LINEでのプッシュ配信のタイミングも含めて、全ては2月23日の生中継に照準が合わせられています。

コレクション記念写真

<抜粋>バーバリーLINE公式アカウント2015年2月17日配信

また、ブラウンとコニーにバーバリーのマフラーやコートを着せ、そのスタンプや動画を配信したり、さらに、コレクションの生中継したりと、やるべきLINE活用のテッパンコースに新しい取り組みが加えられています。

公式アカウントやスタンプのみの契約ではコニーやブラウンなどのLINEキャラクターは使用できません。ラグジュアリーブランドがLINEキャラクターとコラボするのは大胆な戦略ですが、LINEの施策としてテッパンです。ユーザー側から見ると、LINEのビジュアル的な象徴はLINEキャラクターであり受け入れやすいからです。

さらに、上記の記念写真には、なんとアメリカ版ヴォーグの編集長アナ・ウィンターなどまで登場しており、今回の取組みが特別であることを感じさせます。このプロモーションにかけるバーバリーの本気度が伝わってきます。

 

バーバリー×LINEの意図、三陽商会とのライセンス契約終了

ここまで実施する理由は、2015年6月で三陽商会とのライセンス契約の終了以降も、日本におけるバーバリーの存在を維持・向上するためのようです。

<参考>バーバリー/LINEを日本市場でのブランディングに活用 | 流通ニュース

そもそも今回のライセンス契約終了の意図は、日本でのラグジュアリー路線を強くすることと、ライセンス収入から直営による小売り収入に切り替えることでの売上拡大にあると見てとれます。

日本におけるバーバリーの業績は非開示だが、直近の三陽商会の売上高1063億円の過半、利益の大半を稼ぎ出すともささやかれる(2013年12月期ベース)。

英バーバリーの2013年のアニュアルレポートによれば、全世界のライセンス契約収入の1億0900万ポンド(約185億円)のうち、約60%以上を日本のライセンス販売が占める。ただし、小売りや卸を含む全体の売上高20億ポンド(約3400億円)からみれば、日本のライセンス収入はわずか3%強にすぎない。2010年にスペインにおけるバーバリーのライセンス契約を直営展開に切り替え、成功を収めたことも引き金になったといわれる。

<抜粋>三陽商会はなぜバーバリーを失ったのか | 東洋経済オンライン

仮に、三陽商会の売上の半分がバーバリーだと仮定すると売上高532億。本国の日本以外の売上高は約3,215億で、532億と足すと約3,747億になり、日本の売上は約14%というのが現状となります。

スペインでの成功はあるといえ、全世界の約14%ほど占める日本で、半世紀(50年間)共にしてきたパートナーがいなくなり、ラグジュアリーブランド「バーバリー」単体で勝負するのは バーバリー本体としても不安なはずです。

ブラックレーベルやブルーレーベルが売れていた日本においてラグジュアリー路線をメインにすることで客数の減少は予測できます。また、特にプロモーションにおいては、日本特有のものを考慮する必要はあるが、バーバリー本体としては把握しずらいものだったと思います。(LINEに関してもじっくり時間をかけ、交渉を重ねたとも聞いています。)

今後のプロモーションの手ごたえや、ブランドの存続を維持・向上を狙って、LINEとの取り組みにいたったのだろうと考えています。

別の観点では、今回のバーバリーとLINEとの取組みが、ラグジュアリーブランドや国内アパレルブランドに影響を及ぼすはずなのでファッション×LINEは今後さらに注目です。

次回のブログは、2つ目の見どころ「なぜバーバリーはラグジュアリーブランドしてLINEスタンプを展開できたのか」をご紹介します。

 

まさに今夜、2月23日(月)日本時間22時に2015年秋冬コレクションの生中継があるのでお見逃しなく!

 

▼連載の他の記事はコチラ▼

バーバリーLINE活用3つの見どころ:LINEとの新たな取り組み【連載1/4】

バーバリーLINE活用3つの見どころ:生中継に向けたLINEスタンプ無料配信【連載3/4】

バーバリーLINE活用3つの見どころ:2015年秋冬コレクション生中継【連載4/4】

 

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川添 隆

川添 隆

デジタル・コマースグループGM | デジタルエクスペリエンス事業本部 本部長メガネスーパー | ビジョナリーホールディングス
NewsPicksプロピッカー、デジタルハリウッドオンライン講師、文化服装学院 非常勤講師、日経デジタルマーケティング連載、ECzine連載、LINE大使(自称) ||| EC事業、オムニチャネル推進、デジタルマーケティング・コミュニケーション、デジタルを活用した店舗支援を統括し、他社のEC・オムニチャネルのコンサルティングにも従事。これまではファッション・アパレルに従事し、現職含め3社のEC事業売上を短期間で2~4倍にしてきました。 ≫ プロフィール詳細・お問い合わせはコチラ

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