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ECサイト主導の実店舗はトレンドになるか?:オムニチャネル実現への道【2】

公開日: : 最終更新日:2016/02/23 オムニチャネル


EC主導の店舗

ECサイトは「無限」ではない?

「インターネット上は無数の人が使っているんだから、ネットに商品を置いておけば売れるだろう。だから、ネット通販をやるべし。」というような前時代的な指示をするような経営者は減ってきたようですが、「ECサイトの集客や顧客獲得に上限がないか?」というのは常に議論になるポイントです。

広告やプロモーションのやり方次第では、実店舗以上に集客することは可能ですが、今のところ、ECサイトはWEB上のみで無限に拡大できる店舗ではないと考えています。今後、ECのビジネスを拡大していくにあたり、EC専業サイト、実店舗があってのECサイトいずれにしても、EC起点での実店舗のあり方は今後さらにフォーカスをされていくのではないでしょうか。その流れの一つとして、「EC起点で見たオムニチャネル」について解説します。

 

ECサイト主導の実店舗のトレンドが徐々に来ている

THE WALL STREET JOURNAL.

THE WALL STREET JOURNAL.

昨年あたりから、これまでWEB上での展開のみだったECサイトが、リアルにも進出を始めてきました。例えば、米国でのアマゾンの実店舗や、日本では楽天市場による楽フェスの展開が話題になりました。また、夢展望が渋谷パルコに出店、DHOLICがSHIBUYA 109に期間限定出店などのEC専業サイトが実店舗を展開しています。それ以前では、ウサギオンライン、Rady、HUMORなど自社ECサイト名を冠とした実店舗の展開もあります。

<参考>アマゾン、初の実店舗 NYで出店へ 年末商戦に合わせ | WSJ

<参考>楽フェス|リアルとネットが融合したビッグイベント! | 楽天市場

<参考>ECサイト「DHOLIC」が109に期間限定店をオープン | WWD JAPAN.COM

<参考>「夢展望」、渋谷PARCOショールームストアOPEN | ECのミカタ

今後このような店舗は、さらに増えていくのでしょうか。

 

EC専業サイトも今後オムニチャネルを求められる!?

EC主導の実店舗

ATOMICBOXX原宿店(2013年9月当時)

公表されてはいませんが、モール型EC全体と、自社EC全体の成長率を比較すると、自社ECの方が成長率が高いというデータがあります。

ある大手ファションモールECサイトでは、売上前年比が100%を割っている既存出店ブランドの方が多いとも聞きますし、ヤングレディースアパレルでEC専業の代表格の「夢展望」が、健康コーポレーションに買収されたのは記憶に新しい話題です。一方、実店舗での小売りの拡大が難しく、EC市場が拡大することを背景に、実店舗メインでやってきたメーカーや小売り事業者はこぞって自社ECに注力を始めています。

自社ECが伸びているのは、各社、自社ECに注力できていないというのが大きな理由でしょう。しかし、実店舗で購入したり実店舗でブランドに触れたユーザーが、「より実店舗の販売方法や世界観に近い自社ECサイト」を支持して購入している傾向は間違いなく大きくなっていると感じています。このようなユーザーが増えれば増えるほど、「これまでのようなWEBのみ展開」には限界があるでしょう。今後、EC専業の通販サイトは、事業拡大を目的として面を増やすためには、以下の3つの方向の選択が必要だと考えています。

(1) 実店舗の出店

(2) メディア化

(3) マルチドメイン化

(4) ビジネスを拡大させない

あくまでも1つの選択肢ですが、EC専業の企業だけでなく、メーカーや小売り事業者に関しても「EC部門がコントロールする実店舗展開」が今後増えてくるのではないかと考えています。EC起点で見ると、「実店舗+店頭スタッフ」によるブランド認知や商品提案力などは絶大だからです。

その観点で私は、前職のオルケス(旧クレッジ)で自社ECサイトATOMICBOXX(アトミックボックス)の実店舗を路面店として出店しました。これは以下の2つを意図していました。

・店舗運営としては、自社ECサイトのコーディネート画像や在庫、配送機能があることを前提に接客販売を行うこと

・ECサイトとしては店頭での認知からEC集客につなげること

究極、店舗は損益がトントンでも、高利益率の自社ECサイトに集客できれば、合算で見るとプラスになるのです。こういった自由な戦略は路面店契約だったことが大きく起因していますが、このような出店は今後増えてくるのではないかと考えています。

その時に重要なポイントは、EC部門が主導するということです。初期段階では、販売面でブランドに協力を仰ぐことはあったとしても、管轄はEC部門にする方がよいと考えています。理由は、現時点の既存の店舗運営部門(ブランド事業部)では、店舗の裏側にあるECサイトの機能を活かしきれないからです。

EC主導の実店舗はまだまだ少ないですが、今後このトレンドが来るかどうか各社の動きに注目してみてください。

 

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実店舗とECのより良い関係:オムニチャネル実現への道【1】

 

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川添 隆

川添 隆

デジタル・コマースグループ ジェネラルマネジャー株式会社メガネスーパー
【デジタルハリウッドオンライン講師、文化服装学院 非常勤講師、LINE大使(自称)】 ≫ECzine連載中  現在、メガネスーパーのEC事業、オムニチャネル推進、デジタルマーケティング・コミュニケーション、デジタルを活用した店舗支援を統括。これまではファッション・アパレルに従事し、現職含め2社にわたりEC事業の売上を短期間で約2倍にしてきました。 ≫ プロフィール詳細・お問い合わせはコチラ

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