老舗アパレルによるアッパレなEC展開。無戦略なECブランドと異なるCITERAの戦略。
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最終更新日:2017/08/26
ECノウハウ・実例
ECzineの「金子洋平のおしゃれEC通信」で読み応えのある記事を発見。
<参考>老舗アパレルがEC特化ブランドを立ち上げた理由とは 「CITERA」ローンチ秘話を訊く | ECzine
CITERAの前に、金子さんについて。ファストメディアに所属し、ネイティブアプリのパッケージ「Yappli(ヤプリ)」のセミナーや営業を、優しい顔してガシガシやっているお兄さんです。毎回学びになる記事で、しかもこの連載を毎月欠かしたことがない鉄人でもあります。
CITERAの何が新しいのか?
今回は、老舗アパレルのヤマト インターナショナルが新たに手掛けているEC向け新ブランド「CITERA(シテラ)」についての記事で、読んでいてあっぱれなEC展開事例だなと感じました。
なんとなくECがよさそうというのは経営陣も理解しています。しかし、「デザインチームはいるが、リアル店舗出店はキャッシュアウトも重たいから、低リスクのEC先行の新ブランドを作ろう!」そんな丸腰でスタートして、失敗したブランドも増えてきたんじゃないでしょうか。
記事を読んで、好スタートを後押ししてる要因としては下記を「決めた」からではないかと捉えています。
1.会社のモノづくりの資産を新ブランドの根幹にしたこと。
2.セールはやらない、型数は増やしすぎないこと。
会社のモノづくりの資産を新ブランドの根幹にするとは
今回のブランドづくりには2つの要素がミックスされています。トレンドと企業資産。
「アスレジャー」という言葉は、ご存じでしょうか。「アスレチック(運動競技)」と「レジャー(余暇)」を組み合わせた造語で、米国を中心に始まりました。ナイキやアディダスなどのスポーツブランドの業績が好調なのも、このアスレジャーブームが背景にあります。
当社の強みはなにか。長年、エーグルなどのアウトドアブランドで使用している機能性ハイテク素材を扱ってきた経験値があり、これこそが資産でもありました。
自社が強いところで戦えば、商品のクオリティはスタート時から高められるし、差別化になる。商売のセオリーですよね。ただし、アパレル業界で素材の知見を貯めている企業がどれほどあるだろうか。SPAと低価格化が進んだことで、多くの企業は「デザイン力」や「安く生産できる体制」の方に重きを置きがちで、服の根本となる素材にまで及んでないことが多いと感じる。その中で、アウトドアという専門領域での素材の知見と、アウトドアの延長線上にあるアスレジャーのトレンドが、まさに今合致したことが追い風になっているんじゃないかと思う。
セールはやらない、型数は増やしすぎないとは
セールをやらずに成長を続けるブランドは増えてきていて、代表例はファクトリエや鎌倉シャツなど
また、期中のセールは行いません。今までのアパレル業界のように、次シーズン前にセール、福袋と値引き中心の販売はしないということです。
セールをやらないと言い切ることで、お客様のと信頼関係が気づきやすいですよね。さらに、結果的な粗利率が予測できる分、その分販促費の計画も立てやすい。ECから店舗を考えれば、スポットの出店であればまさに販促の一部だと捉えることができます。
型数を増やしすぎないのはどちらからのアプローチかまではわからないですが、リアル店舗展開軸と、効率化軸があるかなと思います。リアル店舗の場合は、棚やラックなどいわゆる「フェイス」をつくり、埋めていかなければならない。また、売れ筋と見せ筋のバランスを考えなければならない。店舗がない分、型数に引っ張られる必要はないということです。また、型数を決めて企画をすると、苦悩の末、どうしても余計な商品も加わる可能性も高い。少しずつ足していければ、1商品に対して生み出す力を集中できます。
限定ショップでは、当日商品を持ち帰ることはできず、実際に商品を見て、気に入った商品はタグのQRコードをスマホで読み取り、購入する仕組みを取り入れました。注文した商品はECサイトから届くようにしたわけです。ショールーミングショップとしての可能性にも、ブランド開始早々からトライしました。
CITERAは今後、ブランド、商品、体験を軸として新たな形態を生み出していくかもしれません。あとは、個人の発信力が加わると、かなり万全の体制になるのではないでしょうか。
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