SNS×Eコマースの課題は活用以前の問題:ECのSNS活用の実体【1】
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最終更新日:2017/08/26
ECノウハウ・実例
加熱しすぎるECのSNS活用。
WEBプロモーションにおいて欠かせなくなったSNSの活用。特にファッションや直販チャネルを持たないブランド商材では非常に活発です。その流れは、ECにもおよび「SNS×Eコマース」は注目のキーワードになっています。直近ではInstagram(インスタグラム)での広告解禁、Twitter(ツイッター)のBuyボタンのEC連動など注目トピックスがでてきているため、さらにECとSNSの連動は加速するでしょう。ただし、この盛り上がりは「加熱しすぎている状況」と私は捉えています。うまく活用するために、クリアすべき課題や注意点をご紹介します。
ECにおけるSNS活用の課題・注意点
個人だけでなく、企業やブランドの情報もSNSから情報収集するのが一般的になる中で、私自身、EC担当として集客メディアが増えるのは非常に喜ばしいことです。一方EC事業を進める上で重要なメソッドの1つは、バズワードに踊らされないこと。SNSでも本質を見極めて、自社なりの使い方をしていく必要があります。
SNS活用が加熱する背景
ここ最近のSNS活用が活発になってきた背景には、3つの動きがあるからだと考えています。
1.ユーザーがSNS上で情報収集し、SNS経由でEC購入を始めている
2.ファッション事業者のプロモーション手段が、マス媒体からWEBやSNSへシフトせざる得なくなってきている
3.SNS運営事業者の広告収入を拡大させたい変化
ユーザーの行動やインサイトが変わってきたことにより、SNS運営事業者や、ファッションブランド側も変化をしてきています。ECやブランドとしてうまくSNSを活用するということは、自社のビジネスにとっても、ユーザーやSNS運営事業者とっても良いということです。ということは、SNSを使わない手はないのは間違いありません。
ちなみに、3の動きは非常に活発と言えます。特に、最近の注目はInstagramで今後の成果に期待ですが、同時にFacebook化する懸念もあります。現在のFacebookは、企業ページ(Facebookページ)によるオーガニックな投稿はニュースフィードに表示されづらいロジックとなり、広告出稿を促すような仕組みになっています。あくまでも予測ですが、Facebook傘下にあるInstagramもその軌跡をたどる可能性があります。現時点で、全企業には広告管理画面が解放されていませんが、10~20代がメインターゲットであれば、早めに試してここ1~2年で実績を積み上げた方がよいと思われます。
<参考>ついにInstagram広告が日本企業に全面解禁!知っておきたい広告タイプまとめ | SMMLab
SNS×Eコマースの課題は、活用以前の問題がほとんど
「SNSを使わない手はない」ということは多くのブランド・企業が理解をしており、実際にSNSを運用しています。しかしながら、代表事例として名前が挙がるブランドは、他の施策でもメディアに取り上げられるユニクロや北欧、暮らしの道具店など、一部の企業に限られています。
<参考>Web担当者のInstagram(インスタグラム)を活用している企業事例20選|ferret
<参考>3つの運用方法別に学ぶ、Instagramを効果的に活用している企業事例6選 | Social Media Data Bas
すなわち多くの企業は、SNSを使っているものの、うまく成果があがっていないというのが現状でしょう。毎日更新はしているものの効果はは出ない、そこに足りないのはPDCAです。さらに、PDCAを構築する以前に大事なのは、ツールやメディアの特性、すなわちSNSの本質を十分理解することです。この本質により、成果の評価やKPIも変わってきます。
私もこれまで数社から相談をいただいたことはありますが、うまく成果がでていない企業は、更新が作業になっていて、根幹にある本質の理解ができていないというケースがほとんどです。
SNS活用の前に忘れてはならないこと
忘れてはならないこと。それは、ECにおいてSNSは1かたまりの流入経路でしかないこと。SNSにとらわれず、現時点で自社のEC売上に貢献している流入経路を改善するのが売上アップの近道です。
その上で、SNS広告を活用すれば短期的なSNS経由の集客ができ、社内のノウハウが貯まります。また、併行してオーガニックな運用でファンとコミュニケーションをとりながら時間をかけて信頼をつくることなしに、SNS本来の効果がでてこないでしょう。次回はこの部分をより掘り下げて、「SNSでできること、SNSの本質」についてご紹介します。
ISSUE【SNS×Eコマースの課題は?】 10月1日からInstagramの広告の一般運用が開始されました。商業的な利用から距離を置いてきたInstagramにおいて大きなターニングポイントになることは間違いないでしょう。…
Posted by The FLAG on 2015年10月2日
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