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バーバリーLINE活用3つの見どころ:生中継に向けたLINEスタンプ無料配信【連載3/4】

公開日: : 最終更新日:2017/08/26 LINE公式アカウント・スタンプ


Burberr_sticker

ラグジュアリーブランドによる異例のLINEスタンプ。

前回に引き続き、「バーバリーによるLINE活用3つの見どころ」をご紹介します。

今回は、2つ目の見どころ「なぜバーバリーはラグジュアリーブランドしてLINEスタンプを展開できたのか」を考察いたします。

ラグジュアリーブランドによる初のLINEスタンプは非常に気になります。

 

なぜバーバリーはラグジュアリーブランドとしてLINEスタンプを展開できたのか

バーバリースタンプ150217

まず、ファッションではないラグジュアリーの領域では、直近の1月27日に配信されたメルセデス・ベンツのLINEスタンプの事例があります。

<参考>動画をみるだけでスタンプゲット!LINEでもらえる無料スタンプの獲得方法が増えました | LINE公式ブログ

<参考>LINE、動画視聴後にスタンプを配信する広告メニュー「LINE マストビュースタンプ」 | CNET Japan

これは、「LINE マストビュースタンプ」という動画完全視聴後のインセンティブとしてもらえるもので、新機能の第一弾の取組みとしてメルセデス・ベンツのLINEスタンプが配信されました。

メルセデス・ベンツLINEスタンプ

一方、ファッションにおけるラグジュアリーブランドのLINE活用においては、ラルフローレンやディオールがLINE公式アカウントで先行し、ロエベはLINE@を展開していたにも関わらず、LINEスタンプを実施したラグジュアリーブランドはありません。

やはり、グローバルブランド、特にラグジュアリーブランドにとってLINEでの取り組みはハードルが高いというのが現状です。ちなみに、国内アパレルブランドにおいてもLINE公式アカウント数はまだまだ少ないです。

私もラグジュアリーブランドのWEB担当者の皆様向けのセミナーの機会をいただきましたが、グローバルから見るとLINEは日本特有のサービスで「キャラクター性が強くポップなメディア」という印象のようです。一方、日本のECやWEBの担当者の方々はLINE活用に対して興味を持ってらっしゃいました。

では、なぜLINEスタンプを展開できたのでしょうか?私は下記の4点がポイントだと考えています。

【考察】LINEスタンプを実施できた4つのポイント

■バーバリーはデジタルに強い

■2014年にWeChatとコラボを実施していた

■自社ユーザーにセグメントできるダイレクトスタンプ

■新機能「LINE LIVE CAST(ラインライブキャスト)」との抱き合わせ?

それぞれ解説いたします。

 

バーバリーはデジタルに強い

Art of the Trench

<参考>Art of the Trench | Burberry公式サイト

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、バーバリーはデジタル(WEB、テクノロジー)をブランド全体の戦略に活かした稀有なラグジュアリーブランドです。デジタル戦略において、右に出るブランドはそうそうないようです。

以下にあるDegital IQとはその名の通り、デジタルに対する知能指数、すなわち戦略性や活用のレベルの高さを表すものですが、2013年においてはラグジュアリーブランドの中で1位と評価されています。

<参考>Fashion 2013 | L2: Business Intelligence for Digital(Degital IQ Index 2013)

<参考>Fashion 2014 | L2: Business Intelligence for Digital(Degital IQ Index 2014)

2006年以降、デジタル戦略の強化が始まったようですが、それを率いたのは当時のバーバリーのクリエイティヴディレクター、現CEOであるクリストファー・ベイリー本人でした。今回改めて彼のことを調べましたが、デジタルへのアプローチは非常に参考になります。彼の考え方を示すフレーズを以下に抜粋しました。

わたしがデジタルの世界を好ましく思うのは、そこではすべてがオープンで透明だからです。

ブランドが広告の雰囲気やキャストといったあらゆるディテールに価値観を反映するのと同じように、デジタルコミュニケーションにおいてもすべての側面で、固有の価値観を反映しなくてはなりません。すべてがブランドの一部であるべきです。

「デジタルはラグジュアリーじゃない」とか、「大衆的すぎる」とか、「コントロールができなくて危険だ」とか。こうした見方はあまり意味がないように思います。現代のデジタルな環境を観ないフリをしてみたところで、それが消えてなくなるわけでもないのですから。
<参考>ファッションブランドはアップルを目指す──クリストファー・ベイリーが語る、バーバリーのデジタル戦略 | WIRED

ぜひ、上記の記事はファッションやブランドに関わる方にぜひ見ていただきたいです。まさに、デジタルとクリエイションとビジネスが一体となった先進的なラグジュアリーブランドこそがバーバリーと言っても過言ではないでしょう。

他のプロジェクトとしてもArt of the Trenchも秀逸ですが、ぜひ他の取組みに関しても下記の記事を参考にしてみてください。

<参考>デジタルマーケティングで飛躍的にブランド価値を高めたバーバリーの戦略 | イキゴト Digital Marketing

 

2014年にWeChatとコラボを実施していた

WeChat

中国版のLINEと言われ、中国を中心に拡大をしているメッセンジャーアプリがWeChat(微信、ウィーチャット)です。実はちょうど1年前に、バーバリーはWeChatとコラボを実施していたのです。

デジタル領域の斬新なプロモーションに定評のある英ファッションブランド「バーバリー」は、今後更なるユーザー数の増加が見込まれるWeChatとコラボし、2014年2月17日に開催された秋冬コレクションでユニークな試みを実施しました。
アジアの大国、中国でローカライズしたメディア・ツールでのコラボである程度、感触はつかめたのでしょうか。
他にも前例があるかもしれませんが、いずれにしろ、ローカライズしたプロモーションにもチャレンジする土壌があるというのは間違いないです。

自社ユーザーにセグメントできるダイレクトスタンプ

LINE配信150216

<抜粋>バーバリーLINE公式アカウント2015年2月16日配信

ユーザーとしてLINEのコミュニケーションに欠かせないものはスタンプです。それにより、ある程度の予算があれば、企業としてもLINEスタンプを実施知るのは鉄則です。

今回、バーバリーが行ったのは「ダイレクトスタンプ」という、スタンプショップには登場しない自社販促用のスタンプです。不特定多数に配信する「スポンサードスタンプ」はスタンプ欲しさに登録直後にブロックするようなユーザーもいますが、「ダイレクトスタンプ」では自社で告知を行うため、ある程度自社ブランドに興味を持ったユーザーを集めることができます。

コスト面でも「スポンサードスタンプ」と比較して「ダイレクトスタンプ」はリーズナブルですが、バーバリーの場合はセグメントによる「特別感」での選択ではないでしょうか。

 

新機能「LINE LIVE CAST(ラインライブキャスト)」との抱き合わせ?

LIVECAST生中継

昨夜、2015年秋冬コレクションの生中継がありました。終了時点では、9万人を超える視聴があり、視聴率は約32%!また、終了後も視聴人数は増え続け、23:53時点で12万6,500人ほどになり視聴率は約45%と驚異の数字です。詳細は次回に記載しますが、結果としては大成功ではないでしょうか。

さて、今回のLINEとの取り組みは、スタンプ以上に新機能であるLINE LIVE CAST(ラインライブキャスト)が目玉です。それは、その名の通りLINEを通じて生中継ができるという機能。この成功は、ファッションだけでなく、テレビなどでの活用にも通じる新たな機能だと考えます。

去年のWeChatでもコレクションの配信をしているものの、生中継ではないようです。
WeChat上のバーバリー公式アカウントをフォローし、『Made For ○○(自分の名前)』を入力、送信すると、オンライン・ファッションショーへの“招待状”が届きます。
するとショーの様子を動画で視聴できるほか、ここでしか見られないスペシャルコンテンツにアクセスすることができるのです。

この新機能は、日本における「新生バーバリー」にとって絶好のチャンスです。これも含めての、LINEスタンプの実施だったのではないでしょうか。

 

次回のブログは、3つ目の見どころ『リアルタイム動画配信機能「LINE LIVE CAST」によるコレクション生中継とはどんなものか』をご紹介します。

 

▼連載の他の記事はコチラ▼

バーバリーLINE活用3つの見どころ:LINEとの新たな取り組み【連載1/4】

バーバリーLINE活用3つの見どころ:LINE展開の戦略【連載2/4】

バーバリーLINE活用3つの見どころ:2015年秋冬コレクション生中継【連載4/4】

 

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川添 隆

川添 隆

デジタル・コマースグループGM | デジタルエクスペリエンス事業本部 本部長メガネスーパー | ビジョナリーホールディングス
NewsPicksプロピッカー、デジタルハリウッドオンライン講師、文化服装学院 非常勤講師、日経デジタルマーケティング連載、ECzine連載、LINE大使(自称) ||| EC事業、オムニチャネル推進、デジタルマーケティング・コミュニケーション、デジタルを活用した店舗支援を統括し、他社のEC・オムニチャネルのコンサルティングにも従事。これまではファッション・アパレルに従事し、現職含め3社のEC事業売上を短期間で2~4倍にしてきました。 ≫ プロフィール詳細・お問い合わせはコチラ

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