アドテック東京2016オムニチャネル編(前編)キーワードは顧客体験、エンプロイ・エクスペリエンス、デジタル三河屋!?
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最終更新日:2017/10/19
オムニチャネル
オムニチャネルのセッションは、私自身考えさせられるキーワードが続出。
その中でも「顧客体験」「ユーザー・エクスペリエンスの前にエンプロイ・エクスペリエンス」「デジタル三河屋」が、自分の頭に深く刻まれました。
テーマは「オムニチャネルの未来:増大する顧客接点を価値体験へシフトさせる」。参加メンバーは以下の豪華メンバー。
・オイシックス(株) COCO 兼 統合マーケティング室 室長 奥谷 孝司さん(モデレーター)
・(株)電通デジタル DMP事業部 チーフプランナー 五島 淳さん
・アクセンチュア(株) アクセンチュア・インタラクティブ、シニアマネジャー 柳田 淳一郎さん
・(株)ココカラファイン 統合マーケティング部長 郡司 昇さん
・(株)コメ兵 執行役員 IT事業部 部長 藤原 義昭さん
※以下、敬称省略させていただきます。
今回のアドテック東京は残念ながら2日目しか参加できなかったが、個人的には昨年も含めて、このセッションがベストセッション!そんな素晴らしいセッションだったが、最終日の最後ということで聴衆がやや少なめでした(怒)。
今回の内容はアドテックに参加できなかった人も知っておくべきだ、という独断により、私のメモをベースにレポートさせていただきます。
まずは、オムニチャネルとは?各々の見解
(奥谷):今回のアドテック東京はどのセッションでも「顧客体験」がキーワードになっている。では、イイ顧客体験とは?理想の体験とは?
なぜ体験が大事なのか?
(郡司):小売においては特に従業員の体験が大事。エンプロイ・エクスペリエンスがあってユーザー・エクスペリエンスだと思う。
(藤原):店頭スタッフのインセンティブは必要。インセンティブ=お金ではない、褒められたり、認められたりすることも含む。オムニチャネルにおいて、店頭スタッフが使いやすいことは重要。
「エンプロイ・エクスペリエンス⇒気持ちよく接客がえきる⇒お店の人が喜ぶ」これを、我々ができるどうサポートできるか?がポイントになる。
(柳田):デジタル化が進んで、ユーザーが贅沢になっている。早くほしい、どのチャネルでも同じサービスを受けたいと考えそれを探す、最終的には、こんなものが欲しいという欲求に応えなくてはいけなくなる。
一方、Amazonのようなプラットフォーマ―の戦略によって、事業者は戦い方が変わってしまう。既存のバリューチェーンの通用しなくなる。例:1クリックでお坊さんがくるお坊さん便
(奥谷):今や、時間の取り合いになっている。オムニチャネルとは情報流と物流をモバイルデバイスがつなぐこと。
オムニチャネルにおけるアプリ不要論
(奥谷):コンサルやベンダーのオムニチャネルの提案にアプリつくろうという話が必ずでてくる。一方でアプリ不要論もある。
(藤原):コメ兵のアプリに関して運用していて気づいたのはエンゲージメント、購買頻度高まらない。ブランド力・オリジナリティのあるブランドのアプリで、お客様のファーストパネルが取れるなら使われる。しかし、うちのような業態の場合はそれが難しい。であれば、ファーストパネルにあるLINEなどを活用したほうが良いのでは?と最近考えている。
(郡司):当社もアプリはある。数百万のココカラクラブカードがまずあって、それをアプリ化した。大半のお客様はアプリ連携をしてくれていて、そのお客様をロイヤルユーザーとして見ている。ロイヤルユーザーひとりひとりに合った情報発信をしていきたい。
本セッションの本題は2つ
オムニチャネルとは何か?What is Omni-Channel ?
戦術化するオムニチャネル。デジタルである必要があるのか?
(奥谷):私は一度もやったことがないが、DMのイベントに関わることになったことがきっかけ。お客様の体験に立ち戻ると、むしろ紙のDMでの方がいいんじゃないか?
(藤原):うちもDMをやっているが、DMは紙の質・内容も含めてコントロールできるのが良い。
(奥谷):DM一筋の人の話をきいた。封筒からどうするかを考え、体験を考える。紙でもカスタマージャーニーを作れるし、紙でもオムニチャネルはできる。一方、やはりデジタルってチープになっていまう。デジタルだけではなく統合マーケティングという観点は大事。
(柳田):理想的なストーリーを描いていくには、人のチカラが重要。例えば、DMだったり、アパレル店員の濃い情報発信だったり。
うまくえこひいきする方法
(奥谷):お客様の体験としては、うまくえこひいきすることが大事。ポイント付与てはエンゲージメント高まらない。デジタル三河屋みたいなことやっていかなければいけないが、購買頻度、ブランドも違う中でどうやるか?
(藤原):高額品はえこひいきだけがあるといってもいい。いいお客様と密にコミュニケーションをとる。オムニチャネルやデジタルが登場したとはいえ、昔からやっていることは変わっていない。ツールが変わっただけ。課題は既に知っている人(既存顧客)にしかえこひいきができない。今は、興味持っている段階の人にはやりにくい。
(郡司):本当にやりたいことは店頭でのえこひいき。
(奥谷):自信を持ってエンプロイ・ジャーニーをつくればいけるのでは?モノでの差別化の差がなくなってくると、最後は「サービス」が勝負のポイントになる。
(五島):デジタル三河屋は現時点でも実現可能。しかし、企業の組織的な課題でできない。
(柳田):我々はサービスデザインを得意とするが、そのなかでエンプロイ・エクスペリエンスは考えている。
続きは後編にて。
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川添 隆

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