日本の小売業復権のためには人材育成が必要なのでは?
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最終更新日:2017/08/26
ゾエのブログ
小売業界は慢性的に人材不足と方々から聞きます。募集してもなかなか、応募もしてくれない。
また一方で、アパレルの販売スタッフは、10年以上前は憧れの職業の1つだったが、今ではそうではないと聞きます。
この状況に至ったのはなぜか?小売りに携わるものとしては見過ごせません。
小売業界に従事することは魅力的ではない?
例えば、若い世代の人口が減少するのに対して、小売り以外の業界の求人が増えているからでしょうか。そういう要素も確かにあるし、特にITのような新分野が拡大したことで、職業の選択肢は広がりました。
ただし、私は、単純に小売業界に魅力を感じてもらえていないからだと思います。すなわち、小売業界が「人材育成」「評価制度の見直し」を怠ったからではいのかなと。一般社会の中ではどうしても低くみられてしまうことに対して、企業側がそれを前提として、改善や革新に取り組まなかったということではないかと捉えています。
そこに取り組んだ代表企業は、これまででは考えられない給与体系と自社内でもグローバルの競争を取り入れているファーストリテイリング。女性支援制度の充実や、働き方の多様化に対応するために20年間継続してきた全正社員制度を撤廃したストライプインターナショナル(旧クロスカンパニー)などの一部の企業。なかなか他の企業は踏み切れないですし、先述の企業も人材育成のところまではわかりません。
また、業績を伸ばしているモール型ECの企業ですら、人材育成が行き届いているなと感じるところは、ほとんどありません。
<参考>ファーストリテイリングの「経営人材育成」とは?|株式会社プロコミット
人間力で勝負できる時代
いいモノを作れば売れるという時代でもない。だからこそ、人間力は試される。
例えば、アパレル業界は、そもそも服を作りすぎたことの方が大きな要因だと思いますが、最近の不況は、人づくりをしていかなかったことも起因しているのではないでしょうか。
販売を極めていこうとすると、それは、店の経営まで至ります。例えば、経営の本質を理解し、店舗のPLまでみて、施策のPDCAを回し、スタッフのマネジメントをして、実績や状況を正確にプレゼンできる販売スタッフがいたとしたら、少なくとも僕はそういう仲間が欲しいです。強い部下を率いていくためには、かなりの人間力が必要になります。なかなか、そんな人の話しを聞かないのは、本人の意向・資質はあるものの、企業側のサポートが弱いことは影響していると思います。足元の採用も必要だとしても、継続的な人材育成は急務です。
メガネスーパーのBOSSは、毎週毎週、1人1人のスタッフに店舗経営や販売に必要なこと、本質的なことを丁寧に、何度も、諦めずに我々に伝えていただいています。改めて考えると、本当にすごいことで、ありがたいこと。
また、人間力で勝負できるということはポジティブなことだと捉えています。モノの機能の差などは、企業が大きいほうが有利。しかし、人間力は小さくても高めることができるからです。人間力での勝負が、小売業界を盛り上げていくには必要かなと感じます。
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川添 隆

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