速報LINE LoginとLINE Customer Connectの一般提供!LINEビジネス活用セミナー(2017年2月)
公開日:
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最終更新日:2017/08/26
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本日2017年2月7日に開催された、広告主企業やパートナー企業、広告代理店を対象としたLINEのビジネス活用セミナーに参加しました。
LINE(株) 代表取締役社長 出澤 剛氏
ECや小売業界で使えそうかなど、コメントを入れながら発表された内容を解説していきたいと思います。
新しい機能や発表はあったか?
今回のセミナーでは以下の3つが新しい発表でした。
1.LINE Social Pluginの機能追加
2.LINE Loginの進化と一般提供
3.LINE Customer Connectの一般提供
印象としてはこれまでの発表してきた機能のアップデートや、先行テストから一般開放といったネタが中心だったと言えます。
最新事例や今後の展開について
LINE(株) 上級執行役員 コーポレートビジネス担当 田端 信太郎氏
このパートでは最新事例の紹介と活用企業担当者との簡単なトークセッション、また、今後に向けての3つの機能軸のお話がありました。
▼LINEビジネスコネクトによる変革事例
(1)LINEという土台を活用した事例
AIRDO:ネイティブアプリではなくLINEでeチケット配信
ライフネット生命:スマホでの保険相談をLINE上のチャットUIで実施
アメリカンイーグル:ポイントカードをLINEアカウントの中に取り込む
(2)ID連携による通知を活用した事例
Amazon:eメールに加えてLINEでの注文情報の確認とレコメンドをID連携で実現
IoTデバイスからの確認メッセージ受け取りに最適(メール確認の手間が省ける、自然な購入体験)
今後は音声注文の時代。注文は音声が向いていて、完了通知はLINEが向いている。
ヤマト運輸:LINEを通じて配送通知・再配達依頼・日次場所変更を会話ベースで提供
(3)テクノロジーを活用した事例
ローソン「あきこちゃん」: MSりんなAPIを活用して、自然に会話しながら商品レコメンド
キリン:LINE Beaconと連動した自動販売機を春から展開
【コメント】以前のビジネスコネクトの印象は、CRMの延長でセグメント配信ができることだった。そういう人も多いのではないでしょうか。ただし、最新事例は、LINEの特徴を最大限に活かしたサービス開発に近いです。すなわち、LINEビジネスコネクトはCRMツールではなく、自社の新たなサービスを展開できるツールに進化しているということはおさえておくべきですね。
▼活用企業担当者との簡単なトークセッション
(1) uno roid活用事例:資生堂ジャパン(株)山ノ井 千草氏
unoを2016年からリブランディングする中で、ブランド認知を再度強化し、ユーザーの成長を促していくことを目的としてuno roidを実施。LINEを選んだ理由は以下の3つ。
1.10代後半~20代前半男性がターゲットに浸透が図りやすい
2.気軽なコミュニケーション⇒密なコミュニケーションがとれる
3.双方向のコミュニケーションができる
以前実施していた「uno SOCIAL BABER」はFacebookとTwitterにつながると投稿を拾って性格を診断しスタイリングを提案をしたが提案までにとどまった。今回の「uno roid」は1:1のカウンセリングと、個々に合った具体的なスタイリングの解決策を提示できるとこまで踏み込むことができた。
(2) LINE注文活用事例:(株)ドミノ・ピザ ジャパン 富永 朋信氏
LINE位置づけは「スペシャル」。消費者とコミュニケーションをとる中でエンゲージメントを作っていけるツールだから。LINE注文は半年で2億円の売上という結果で、新しい手段での成果としては上々。ピザの注文を増やすには、これまで頼むようなシーンとは違うシーンで注文してもらうことが必要。今は午前11:00に配信して、ほとんどの人はその直後に注文する。例えば、この時間を変えて配信することもあり得る。
【コメント】この2社もやはりLINEの特徴を活かした、新たなサービスと言ってよいでしょう。この2社はマーケティングの先進企業。「LINEビジネスコネクトを使って何かやろう」という発想はみじんも感じないですし、これまで取り組んできたことの精度を高める、課題を解決するためにLINEビジネスコネクトを使われてることが感じ取れます。
▼2020年に向けた3つの課題と提案
1.ECが実業を浸食 ⇒ 「LINE Login」を提案
ECが拡大。ECを持たない企業はどうするか?店舗とオウンドメディアをスマホでつなぐO2Oが必要。
2.「広告」への嫌悪感 ⇒ 「LINE WORKS」を提案
広告ブロックは増える一方。すなわち、一方的な「広告」ではなく、有用で楽しい「提案」が必要。
3.サービス賃金の高騰 ⇒ 「Customer Connect」を提案
人件費が高騰し、採用も難しい状況。AI(×IoT)での省力化が必要。
LINE Loginプラットフォームについて
LINE(株) 谷口 友彦氏
LINE Social Pluginと進化したLINE Loginの発表がありました。
▼LINE Social Plugin機能追加
メディアやEC等のWEBページをLINEアカウントに共有するために「LINEで送る」を提供していた。今後は。それに加えて、「いいね」、「いいね+シェア」、「友だち追加」を提供。
一度ログインすればそのブラウザからは再ログイン不要で、1タップで友だち追加が可能となる(これまでのスマホは3タップ)。
しかも、導入はタグを埋めるだけ。
【コメント】恐らくLINEのタイムラインで拡散しやすくなるということでしょう。アプリと行き来しなくて良いのは便利。ただし、この施策は裏の意図もあるはず。これにより、タイムラインのインプレッションが増えれば、今好調な、LINE Ads Platformの在庫が増えるという仕組みだと思います。
▼進化したLINE Login
アダストリアのECサイト「.st」の事例では、クリック率に差が出ている(一斉配信:5%、ID連携配信:37%)。
LINE LoginではWebサイトから会員登録時に友だち追加が可能になる。さらに、WebサイトでのログインをLINEアカウントを使って可能(ソーシャルログイン)。
・ソーシャルログインの使用率事例
食べログ:30%、@コスメ:76%、SHOPLIST:使用率NO.1
・ID連携率事例
食べログ:全体 約181万人 連携率 約46% ⇒ 83万人にセグメント配信可能
GDO:全体 約7万人 連携率 約70% ⇒ 4.9万人にセグメント配信可能
・友だち追加ペースの上昇事例
オリーブ・デ・オリーブ:7.8倍、@コスメ:1.6倍
この進化したLINE Loginが 2017年春にLINE公式アカウント、API型LINE公式アカウント、LINEビジネスコネクト、LINE@でも使えるようになる予定。導入方法は以下の3つ。
1.自社開発・導入
2.ソーシャルPLUSの導入
3.LINEビジネスコネクトパートナーによる開発
【コメント】現時点で、LINE LoginをWEBサイトやECサイトに実装するにはOfficial Web Appを組み込んだフィードフォースの「ソーシャルPLUS」を利用する必要がある。すなわち、Official Web Appのみの提供で、実はOfficial Web Appがなかなか最強だったということです。しかしながら、私自身もイマイチ乗り気になれなかったのはパートナーが固定化され、他の機能もセットになってASPに近いサービスを利用しなければならなかったこと。他のアカウントや、自社開発も可能になったことで、LINE Loginの導入は増えていきそうです。
ソーシャルログイン市場およびその機能について
まず一言、「LINEログインはやるべきだ」。2017年にかけて、ソーシャルログインでLINEがNo.1になる可能性が高い。
・新規会員登録時のソーシャルログイン利用率:45~50%
・GDOにおけるソーシャルログイン利用率(直近1カ月)
LINE34%、Yahoo!JAPAN36%、Facebook15%、Google14%、Twitter1%
【コメント】おっしゃる通り。LINEの場合は、WEBリテラシーが低い人でもアカウントを持っているから、新たなユーザーの発掘にもなりそうです。
法人向けコミュニケーションツールLINE WORKSの機能や活用例について
「Works Mobile」から「LINE WORKS」へブランド名称を変更。特徴はLINEの使いやすさ、高い機能性と安全性。何といっても、プライベートで使っているから業務でも使いやすいということ。いわゆるグループウェアのようなスケジュール管理やファイルの共有・保存が可能。
コミュニケーションが円滑になり、「気持ちが伝わる チームが動き出す」ことを狙っていく。
【コメント】このサービスは良い!と思う反面、やはり有料にしてまで使うか?というのがポイントになるでしょう。想像ですが、機能はさらに増えていくはず。その辺を期待しています。
LINE Customer Connectの概要および今後の展開について
LINE(株) 執行役員 杉本 謙一氏
LINEを使ったカスタマーサービスの省力化。既に先行テストしているケースでは、電話1件に対してLINEだと2.8件が可能。電話サポート求人だと1人応募だとすると、LINEチャットサポートだと6人応募がくる事例もでている。
▼Customer Connectのコア機能
Auto Reply(AI応答、FAQ)
Manual Reply(有人チャット対応)
Call to LINE(IVR連携)
LINE to Call(IP電話)
▼コンセプト
1.Hybrid Communication
AIと有人のハイブリッド。ロハコでの活用事例がある。
2.Seamless Communication
電話・チャット・IP通話をシームレスにする。集中的な電話がある場合は電話からLINEチャットに切り替え。例えば、飛行機の運行遅延。または、相談したいときにLINEチャットから電話に切り替え。例えば保険の相談。
3.Unlimited Communication
メッセージも音声も定額制でつい買い放題にする。
▼ロハコ事例
ロハコとしてはカスタマーサービスの自動化として、AIを積極的に活用している。サイトのインターフェースとしてWeb、アプリ、LINEや、AIチャットボットシステム、AI+有人チャットとシーンに応じてAIを使い分けている。
LINEのチャットAIの「マナミさん」はオペレーター6.5人分の問い合わせ対応(全体問い合わせの約40%=通常のオペレーター総数は16人?)。しかも、メール+電話の数はほぼ増えていない。2016年6月チャットを人格化したことでチャット対応数が増えている。
エスカレーション率は平均13%は思いのほか低い。AIで十分対応ができているレベル。LINEのチャットAIの満足度は高く、スタンプの活用はコミュニケーションとして有効でお怒りの場合も和らぐ場合ある。
【コメント】ECの売上が伸びると、それに合わせて増えるのは配送業務とコールセンター対応。LINE Customer ConnectのチャットAIにより、ほぼAIで完結できて、人数を減らせれば、非常に効率としては良いでしょう。料金としてこなれてくると、労働力不足の対策になりそうですね。
▼今後の展開
システム構成や料金プラン、スケジュールなどが共有されました。
Auto Reply(AI応答、FAQ)、Manual Reply(有人チャット対応)に関しては間に接続先の切り替えをするハブが必要。
コールセンター特有の運用代理・販売パートナーと連携ツールベンダーの2つに分かれる。
チャットAIはIBMワトソン、パークシャテクノロジーなどが提供、Chat Toolはセールスフォースやベルシステム24などが提供、Call to LINE(IVR連携)とLINE to Call(IP電話)はAVAYAなどが提供。
販売・運用代理は、コールセンターの代行のプロフェッショナルが勢ぞろい。トランスコスモスやベルシステム24などが提供。
導入費用は別だろうが、最低でも70万円/月~で、コミコミだと170万円/月~という料金。連携ツール費要は別途必要とのこと。
Auto Reply(AI応答、FAQ)とManual Reply(有人チャット対応)のVer.1が4~6月にリリース。LINE to Call(IP電話)のVer.1が7~9月にリリース。Call to LINE(IVR連携)のVer.1が10~12月にリリースと年内いっぱいで順次リリースされる。
今後のLINEビジネスアカウントの展望としては、インバウンドとしてお問い合わせ対応などのカスタマーサポートに対応し、アウトバウンドとしてこれまでと同様の企業からのプロモーションの両方を固めて、業務効率化とROI最大化を実現していく。
【コメント】LINE Customer Connectが揃ったことで、カスタマーサポートの守り(インバウンド)が充実しました。本機能が向かっている方向性としては確実に利用価値が高いと思います。ただしコスト感は大企業向け。あくまでも予想だけれども、今のLINEビジネスアカウントサービスはLINE@がどんどん良くなっていく傾向があるので、もしかしたら、近い将来、LINE@で安価で実現できる方法がでてくるかもしれません。いずれにしても、活用事例が増えてくると思われるので注目ですね。
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